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CARAMEL CANDiD

ゲシュタルト後悔


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Direction & Cinematography
Momoka Harui

Cast
Non
Ruri Nishio

Camera Assistant
Kohei

Rec & Mix
TAKAAKI OKAJIMA(cyclone/rainford studio)

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CARAMEL CANDiD
‪‪❤︎‬お菓子の国発セルフプロデュース
4ピースガールズバンド‪‪❤︎

Vo. / Gt. OTO
Gt. SAYA
Ba. MABO
Dr. MOKO

作詞作曲 OTO
編曲 CARAMEL CANDiD

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2024年夏月×日 日記

「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という言葉は有名だが、現代社会でもそんなブルジョワ発言をしようものなら、当時と同じように叩かれるだろう。

私は恵まれている筈だ。パンもケーキも食べる事ができるのだから。

現代の日本はきっと恵まれた方で、その中でも今日食べるご飯を当たり前のように頂ける自分はきっと幸せな筈だ。

そんな恵まれている筈の私でも、数十年後の自分が食いっぱぐれない自信など何ひとつもなければ、この時代に家庭を持つ事も、子どもを持つことも正しいのか悩む時がある。この世の中で責任を取る自信が無いからだ。

景気が悪いと言われる世の中で、「無敵の人」と揶揄される人間を沢山みてきた。
いくら恵まれていようと、いつ自分や周りの人間が「そちら側」になるのかなどなど分からないし、「そちら側」も「こちら側」も明確に分かれているわけではない。

感情やストレスや環境に濃淡がある中で、全てが真っ黒に包み込まれてしまった人間は誰でも、「そちら側」になってしまうのだろう。既に自分にも「そちら側」な一面を持ち合わせているような気もする。

ネットでは「無敵の人」と揶揄されているけれど、誰だって死ぬ迄自分がそうならない確証がないのだ。きっと誰しも心の中で、全部を終わらせてしまえたら、と考えた事はあるだろう。

自分にも、他人にも、包丁を向けてしまったら負けだと心の中で唱えながら、どうにか生きているのが大半なのではないだろうか。

誰もが正しくて、豊かで幸せな世の中など、このたった数キロ街を歩く中でも叶っていない。
たった一人、私の内面ですら叶うことはない。

ただ実際の行動で包丁を人に向けたことがないだけで、今までにも言動で人を傷つけた過去は恥ずかしながらある。

正しく生きることが出来たら、幸せだと胸張って言えたら、どれほど良かっただろうか。後悔ばかりだ。

この世界は是正されないだろう。仮に是正された世界があったとして、それはそもそも何なのだろうか。そんな事を脳内で考えた所で、世界はそのままだ。

自分自身のこの性質は変えられないだろう。仮に清く正しく生きる私は果たして本当に自分なのだろうか。そんな事を脳内で考えた所で、自分はそのままだ。

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満員電車に押し潰され、少し崩れたタルト。
今日もとても暑い夏だった。保冷剤は全て熔けて常温に戻っている。

タルトを写真に収める時に、ケーキフィルムを剥すかどうか一度迷ったが、取る事にした。

ケーキフィルムを剥がして、少し手が汚れた。ケーキフィルムは汚かった。

崩れていたとしても、タルトは艶々と輝いて、綺麗だった。

ああ、この暑さが懐かしい。あのドロドロした感情を抱えた楽曲を書いてからもう一年経ったのだ。

汚れたケーキフィルムをゴミ箱に捨てた。
それは、主役にへばりついて生きる私のようだった。

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小学生の頃、高校生の頃、浪人生の頃と三度受けた受験でも第一志望に受かる事は結局一度もなかったし、その後も碌にうまく行かなかったが、そんな私もなんだかんだ、なんだかんだいつの日にか社会の歯車になっていくのだろう。

何回私は肩書きを手に入れる度に自分の名前を書いてきたのだろう。その書いた名前で手に入れた肩書きはどれだけ少なかっただろう。自分の書く名前に意味などほぼ無かったような気がする。

失敗するにしてもしないにしても、頑張りきれたかといえば、頑張れなかった日々の方が多い。

無駄な事を繰り返す日々、その先に待っていたのは、無駄な事すら出来なくなる日々。

あの時こうしていれば、あの時こうだったらを溢れんばかり考えては後悔を繰り返していた。

そんな私の日々に名前をつけるならば、きっと「ゲシュタルト後悔」だ。

たまに誇れない程度に上手くいったところで、結局私の場合は虎の威を借る狐というに相応しかった。周りの人達は凄くて、自分はその価値に紛れ込んでいるだけなのだ。

周りの人は皆、立派な肩書きにふさわしい華やかな人生を生きているように見える。見えるだけなのかもしれないが、でもそう見えてしまう。

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ゼロヒャク思考に長年殺されかけ、生かされている。

やるとなった時の初動の行動力と、要らなくなったものを手放す事だけは人一倍早く、いつだって衝動に生かされて、衝動に振り回されていた。

価値観だってそうだ。どうしても譲れない信念というものは絶対に変えることが出来ず、衝動で大切なものまで手放してきた。結果沢山の人に見捨てられてきた様に思う。

その衝動は、いつかマイナスにメーターが振り切って二度と上がらなくなってしまうような気がしている。まだ、振り回されている間はマシなのかもしれない。

しかし、衝動が全く無い人生も苦しいものだ。
だってこうやって今このバンドを続けられているのも、衝動が連れ出してくれた世界だ。

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自分の人生に意味があるのだろうか。

集めようとして取りこぼした肩書きは数え切れない程沢山だが、全てはこぼしていない筈だ。

第一希望では無かった学校、適当に受けたアルバイト、職業とは言えない音楽、ひとに誇れない肩書き。そして何より一度も死ぬ事なく生きてきたというちっぽけな肩書き。

当たり前のことなのかもしれないけれど、その肩書きがあるのだからと、いつかはそれらが集まり形となって、人生に意味が着くことを願ってしまうのだ。

塵のような誇れない肩書きをかき集めて、いつかは自分にも形が出来るという微かな希望が捨てきれない。まだ、私は諦め切る事が出来ない。

どうか、どうか、最期には人生に意味が付いたと言えますように。

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この世の中を生きる全ての人々が、ケーキを切る時に包丁が似合う人間である筈だ。

それを歌い続けられた時に、私はちっぽけで誇れない人生にも、意味がついたと思えるのだと思う。

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